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No. 84 WORK LIKE A DOG AND SLEEP LIKE A LOG/ 裁量労働制

No. 84 WORK LIKE A DOG AND SLEEP LIKE A LOG/ 裁量労働制
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No. 84 WORK LIKE A DOG AND SLEEP LIKE A LOG/ 裁量労働制

こんにちは!ほぼ毎週土曜日に更新される動物園!動物園の飼育員のポールさんと愉快な動物の会話を聞いてみましょう。第84回目のお話”No. 84 WORK LIKE A DOG AND SLEEP LIKE A LOG/ 裁量労働制”はDALMATIAN、ダルメシアンです!今日は友達とスカイプで無駄話をしていたため土曜日に更新できませんでした笑!



No. 84 WORK LIKE A DOG AND SLEEP LIKE A LOG/ 裁量労働制



和訳

DALMATIAN: DISCRETIONARY LABOR SYSTEM…GOOD LUCK WORKERS…
(犬: 裁量労働制ね〜、人間は大変だね・・・)


MR.PAUL: WE HUMANS WILL WORK LIKE A DOG…AND, YOU ARE SLEEPING LIKE A LOG…
(ポールさん: 僕たちはあくせく働くだろうね。。。で、きみは寝てるっていう。。。)





基本解説

では、基本解説のページです。まず、今回の動物について情報を表にしました。そして英語について解説します。英語の基礎があれば説明すれば楽しんでもらえるというコンセプトでやっていきますね!


English 日本語
動物 DOG
Kingdom/界 Animalia 動物界
Phylum/門 Chordata 脊索動物門
Class/綱 Mammalia 哺乳綱
Order/目 Carnivora ネコ目
Family/科 Canidae イヌ科
Genus/属 Canis イヌ属

メモ: Life/生物 > Domain/ドメイン > Kingdom/界 > Phylum/門 > Class/綱(こう) > Order/目 > Family/科 > Genus/属 > Species/種



DISCRETIONARY LABOR SYSTEM…GOOD LUCK WORKERS…

  • “DISCRETIONARY LABOR SYSTEM”は「裁量労働制」です。ぼくも調べました。
  • “GOOD LUCK”は「幸運を!」ですが、まあ皮肉っぽく言っています。

よって、訳は「裁量労働制ね〜、人間は大変だね・・・」となります。


WE HUMANS WILL WORK LIKE A DOG…AND, YOU ARE SLEEPING LIKE A LOG…

  • “WORK LIKE A DOG”という表現があります。直訳すると「犬の様に働く」です。ヘトヘトになるぐらいめちゃめちゃ働くことです。と”SLEEP LIKE A LOG”というのも英語の表現で「丸太の様に眠る」という訳ですが、ぐっすり眠る様子を言います。

よって、訳は「僕たちはあくせく働くだろうね。。。で、きみは寝てるっていう。。。」となります。


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ちょっと深く

今回読んだ本は『奴隷のしつけ方』マルクス シドニウス ファルクス(著) 橘明美(訳)です。








書評というと、かなりお堅い感じがしますし本に忠実ではなくてはいけない気がするので、いつもながら読んで考えたことや、思った事をゆるく書いていこうと思います。

いや〜、最近よく耳にする「裁量労働制」、これでブラックがまじりっけのないブラックになるかもしれないと話題ですね。なんとなく、労働環境が悪くなる印象をメディアを通して感じます。よく社畜なんて言葉を聞きますが、古代ローマ時代の社畜、、、ならぬ、もろに”奴隷”の生活はどのようなものだったのか、少し気になりませんか?もしかしたら、少しばかりシンパシーを感じてしまうかも?!

今回の本はマルクス シドニウス ファルクスという、架空の古代ローマの貴族の文献です。どういうことかというと、著者の古代ローマ史の専門のジェリードナー教授がマルクスになりきって本を書き、解説の部分で教授が登場します。ちょっとめんどくさいですね笑!ですが、内容は本当に面白かったです!ざっくり下記の3点で見ていこうと思います。


  • 【古代ローマの奴隷についての考え方】
  • 【奴隷の買い方と活用法】
  • 【奴隷についてのあれこれ】



【古代ローマの奴隷についての考え方】

当時、奴隷を持つことは富の象徴であり、かつ一般的であったそうです。富裕層、自由民、奴隷というざっくり3階級ありました。戦争の多い時代背景もあり、富裕層は農地開拓をさせるのを奴隷に任せていました。反逆する可能性のある奴隷は戦争に駆り出されることがなく、逆に自由民はいかなければならなかったからです。奴隷は安定した労働力だったんですね。また、奴隷はさらに奴隷同士で結婚し数が増えるので雇用主としてはありがたかったそうです。


【奴隷の買い方と活用法】

奴隷は安いものではないので、選び方がすごく重要だそうです。(奴隷って本当にモノ扱いされて悲しいですね泣。書いていて感覚が麻痺します。。。)500セステルティウスあれば家族四人がなんとか暮らしていけるということを考えると、奴隷の値段は下記の様になります。

Vocabulary Memo
8歳以下の少年 400セステルティウス
15~40歳の男性 1000セステルティウス
40歳~60歳の男性 800セステルティウス
60歳以上の男性 400セステルティウス
15~40歳の女性 800セステルティウス

これが奴隷の平均の値段だそうです。500セステルティウスが家族四人がなんとか暮らしていける、、、というと現代だと350~400万ぐらいでしょうかね?だとすると、高くても700~800万ぐらいということになりますね。なんにせよ、人に値段がつくのはやはり抵抗がありますね。。。

選び方に関しては、精神面、身体面の健康状態も見抜き、徒党を組まれるため同じ部族出身を採用しすぎない、また性格は極端に臆病でもなく、無鉄砲でもない人間がいいそうです。この辺はまぁわかりますよね。

さらに、高額の値段がついた奴隷もいて、パエゾンという宦官には5000万セステルティウスだったそうです。いや、高すぎますよね。たしかに、金持ちの道楽からこの高額の値段がついた様ですが、すごいです。。。なんか、ここまでくると、奴隷というよりブランド人ですよね。今タイムバンクとかValuで個人に値段が付く時代ですが、なんだかローマ時代が時代を先取りしていた気がします。。。

一旦奴隷を手に入れたら、奴隷に対する教育もしなければいけません。それも任せる仕事に応じた適切なものでならなければならないとのことです。現代でいうと研修制度でしょうかね。奴隷が一般的だった時代、奴隷を教育して生産性を上げる方法を実践していたんですね。



【奴隷についてのあれこれ】

奴隷はものとして扱われていましたが、人権が全くなかったというとそうでもなかったようです。たとえば女性奴隷を売るときには”売春をさせてはいけない”という契約書も書かせたりして女性を守っていたそうです。また、奴隷の楽しみも用意しており、その期間だけは無礼講で、上下関係をわすれてはしゃいでいい祭りがありました。このように息抜きも準備し、ストレスを発散させる機会も設けていたそうです。奴隷はものと見なしてはいますが、一つ屋根の下で共に暮らす仲間ですから人間関係は重要ですよね。

奴隷は確かにものですが、同時に投資の対象としてもみなされていました。奴隷も自分でお金を貯めて主人に払ったら解放奴隷になれました、つまり自由人になれました。これが奴隷の持つ希望だったそうです。奴隷は解放されるし、主人はお金をもらいます。驚くことに、その制度もしっかりしていて、もしお金を払って主人が解放してくれなかったら奴隷は役所に駆け込むことができ証明できたら解放されます。もし、その主張が嘘と判明したら鉱山労働の苦役か、主人のもとに帰らせて直々に罰を与えられるかとのこと。しかし、直々の罰の場合、鉱山労働の苦役以上の罰は与えてはならなかったそうです。解放奴隷になっても、関係は完全に切れるわけではなく年に数回奉仕するなど主人には敬意を払っていないといけません。こうして主人とのコミュニティであるファミリアはずっと続くのです。



【TAKAのまとめ】

奴隷という言い方があまりに激しいので、読む前はもっと過酷な状況で鞭を打たれて足に石をつけて引きずりながら歩いているイメージを持っていたのですが、法や契約の下で管理しようとしていた事実があったことを知り驚きました。というか、ローマ帝国時代の奴隷制度が僕の想像以上にしっかりしていたので、会社勤めと奴隷のシステムを比較してみたくなりました笑。

会社に例えると、奴隷は指導を受けるということで社内トレーニングもあり、奴隷の体格にあった向いている仕事を割りあてると言う点も、社員一人一人の個性を重視した人事配置のようで、奴隷なのか社員なのかわからなくなりますね。現代では社内でのセクハラ防止にたいする意識も最近では高いですが、その点もローマ帝国時代には女性奴隷を売るときの法整備、きちんとした契約をするなどで意識されていたそうですからね。また、いい働きをした奴隷には褒美を与えるというインセンティブもあり、もう本当に会社組織ですよね。一つ引用しますと、

多くの場合、すでに奴隷であったものより、新たに奴隷であったもののほうがやりやすく、うまくいくといわれているのである。

これを読んだ時、悲しいかな、企業の新卒採用を思い出してしまいました。なんだか、ローマ帝国の奴隷採用から現代の新卒採用まであまり進化してないんだなって思いました。

いろいろ比較して考えてきましたが、もちろん、ぼくは“現代の会社員=奴隷”だと言っているのではありませんよ!奴隷はものとして扱われており、主人に絶対服従で自由がない点などで現代人と比べるとかなり過酷な状況です。奴隷という言葉でわかりますがね。ただ、その比較は十分考察する価値があると思いました。奴隷と会社員の関係もですが、主人と奴隷の関係は今、トレンドであるネットサロンにつながったり、奴隷が解放される様など、個人がブランド化して独立あるいは起業家として名を上げる様子にすごく似ていて本当に面白いと思いました。社会のトレンドの波はあれど、結局人間が形成するコミュニティの形は古代ローマ時代から大きく変わらないんだなって思えたのは大発見でした。
ああ、あと誤解を生みたくないのできちんと申し上げておきたいのですが、奴隷と会社員は違います。奴隷は“労働力でモノ”として扱われ、一方会社員は“労働力で人”だと思います。なので、全然違いますよね・・・・全然・・・。うん、ただ、違いが非常に抽象的であることにも気がついたんですよね。人としての尊厳がそこにはあるのか。ここが非常に重要で、同時に軽視されやすいのではないかと思います。昨今ブラック企業が増えていく中で、もし自分が人として扱われなくなったら、それは奴隷、つまり自由を求めて動き出すサインであると思うのです。最近ニュースなどで裁量労働制などを耳にしますが、そこで人間の尊厳が失われないことを祈ります。働くことに関して考えましょう。それが、今僕たちが古代ローマ帝国から学べることではないでしょうか。






まとめ

今回も遊びに来ていただきありがとうございました。それでは、みなさん、よい週末をお過ごしくださいねー!そして、ぜひ他の動物も見てあげてくださいね↓



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Take care,

Zoo director/owner
Taka

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ABOUT ME
Taka
Zooと英語.comを運営、管理してるTakaです。毎日英語を楽しんでます。普段はデザイン職で働いています。僕も成長したいし、みんなと成長したくてブログを運営しています。