こんにちは!毎週土曜日に更新される動物園!動物園の飼育員のポールさんと様々な動物の会話を聞いてみましょう。第76回目のお話No. 76 STRATEGIC ADAPTABILITY / 戦略的適応能力はPANTHER CHAMELEON/パンサーカメレオンす!
Contents
STRATEGIC ADAPTABILITY / 戦略的適応能力:和訳
Mr. PAUL: HOW DO YOU CHANGE YOUR COLOR?
(ポールさん: どうやって色を変えるの?)
PANTHER CHAMELEON: BY OPTIMIZING TO THE ENVIRONMENT AROUND ME…OR BY “GAME THEORY”.
(パンサーカメレオン: 周りの環境に合わせて最適化する・・・つまり「ゲーム理論」だよ。)
STRATEGIC ADAPTABILITY / 戦略的適応能力:基本解説
では、基本解説のページです。まず、今回の動物EASTERN BOX TURTLEについて、そして英語について解説します。英語の基礎があれば説明すれば楽しんでもらえるというコンセプトでやっていきますね!
English | Japanese | |
---|---|---|
動物 | CHAMELEON | カメレオン |
Kingdom/界 | Animalia | 動物界 |
Phylum/門 | Chordata | 脊索動物門 |
Class/綱 | Reptilia | 爬虫類 |
Order/目 | Squamata | 有鱗目 |
Family/科 | Chamaeleonidae | カメレオン科 |
Genus/属 | Chamaeleo | フサエカメレオン属 |
HOW DO YOU CHANGE YOUR COLOR?
- “HOW DO YOU…?”は「あなたはどうやって…」という方法を聞く意味ですね。
よって、訳は「どうやって色を変えるの?」となります。
BY OPTIMIZING TO THE ENVIRONMENT AROUND ME…OR BY “GAME THEORY”.
- “BY”は「~で/〜を使って/~によって」という手段を表す意味です。
- “OPTIMIZE”は「最適化する」という意味です。
- “GAME THEORY”は「ゲーム理論」という意味です。下で詳しく説明します。
よって、訳は「周りの環境に合わせて最適化する・・・つまり「ゲーム理論」だよ。」となります。
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ちょっと深く
今回読んだ本は『世界の一流企業は「ゲーム理論」で決めている――ビジネスパーソンのための戦略思考の教科書 /デビッド・マクアダムス 著, 上原裕美子 訳』です。
書評ではなく、読書を通して自分が考えたことをまとめてみようと思います。つまり、読書感想文です。ということで、今回読んだ本は「ゲーム理論」についてです。この理論は数学者と経済学者によって作られました。DECISION MAKING、決定を下す時の戦略として広く用いられます。自分の状況と周囲の状況を客観的に峻別し妥当な、賢明な判断を下す思考フレームだと思います。
本書の構成は、大きく2パートに分かれていて、前半部分で「ゲーム理論」についての説明、後半部分では実例を挙げながらゲーム理論を用いて解説していきます。今回は僕のメモ感覚でゲーム理論をいつもながら、かなりざっくりとまとめてみようと思います。(こうしておけば、後日またこの本を読み返すときに役に立つんです!)
まず、囚人のジレンマってご存知でしょうか。競合他社、相手との関係の中で特定の条件下の中でどういう選択肢があるかを図示するマトリックスです。囚人のジレンマはあまりにも有名?ですので、今回は透明マントを開発している会社のパンサーカメレオンと同じく透明マントで価格競争しているエボシカメレオンの競合2社の関係を囚人のジレンマのペイオフ・マトリクスで表してみました。(僕が作ったので本に書いてないです。ご了承ください。)
見方はお分かりでしょうか。AのBOXは両者高値をキープですので「パンサーカメレオンにとって2番手、エボシカメレオンにとって2番手」、BのBOXはパンサーのみ安値、エボシは高値キープなのでパンサーは市場を独占できるということで「パンサーカメレオンにとって最善、エボシカメレオンにとって最悪」、CのBOXはBの逆なので「パンサーカメレオンにとって最悪、エボシカメレオンにとって最善」、DのBOXは両者値下げなので「パンサーカメレオンにとって3番手、エボシカメレオンにとって3番手」です。
囚人のジレンマがはっきりわかったところで、回避できる方法を考えましょう。本書では下記の5つの視点からその囚人のジレンマを回避できないか考えてみることを提案しています。それが分かればそれに対応する解決策が見えてきます。下記のリストを上から見ていき該当しなければ下の条件を見てみる。繰り返していき、該当する条件があれば、その解決策で解決できるというわけです。
- [条件]:利得を変えることができるか →YES→ [解決策]:規制
- [条件]:合弁可能 →YES→ [解決策]:カルテル化
- [条件]:ダイナミックゲームか →YES→ [解決策]:報復
- [条件]:コミットメントゲームか →YES→ [解決策]:約束
- [条件]:繰り返し型ゲームか →YES→ [解決策]:関係性
(*それそれの詳しい定義については本書を手に取っていただきたいです!)
それでは、僕が作ってみたカメレオンではどうでしょう。同じ市場を争う同業者ですが、今回は合弁可能ということにしますので、カルテル化に落ち着くことで囚人のジレンマを回避できそうですね。
つまり、、、問題が起きたらまずペイオフマトリクスで書いて整理してみる。その問題はどの条件に入るか分析。その後対応する解決方法で、マトリクス上の妥当な帰結点に落ち着く、という流れです。著者がいうところによると、どの条件にも当てはまらないものはほとんどないそうですのでひとまず安心ですね!
ただ、囚人のジレンマはそんなに単純なものではなく、同時に考えなければならない要素として、「手番のタイミング」というものがあります。相手との関係の中で、決断を下す順番が同時の時(同時手番)、先攻後攻が決まる時(逐次手番)、先攻後攻が決まりさらに後攻が先攻に条件を与えることができる時(コミットメント手番)の3パターンのタイミングです。その際に「均衡」ということも考えます。こちらも図示しました。
- [同時手番]→ [ナッシュ均衡]・・・その条件下で最適化を図る。
- [逐次手番]→ [ロールバック均衡]・・・相手の動きを予測し自分の最適化を図る。
- [コミットメント手番]→ [コミットメント均衡]・・・後攻の出した条件をもとに先攻が最適化を図ることを想定した、後攻の最適化。
こう要素が増えてくると、もう整理するのがやっとですね汗・・・。
本書の後半部分でたくさん実例を出してゲーム理論をもとに解説していきます。ケーススタディとしては、「価格比較サイト」、「タラ資源の崩壊」、「不誠実な不動産エージェント」、「救急外来に訪れるグレーな患者」、「イーベイにおける評判の構築」、「薬剤耐性菌の駆逐」です。正直言って、まぁ解説があるから理解できますが、これから自分に起こる事象を一人の力で分析しゲーム理論で読み解いていくには少し・・・いやまだまだ時間がかかりそうだなって思いました。最初から著者のように鮮やかに分析し答えを出すのは難しいですが、ひとまず「ゲーム理論」という思考フレームの存在に気付き、実践してみようと思えたことは大きな成長かなと思えました。今回は本当にごく一部を紹介、自分なりに考えてみましたが、本書を手に取っていただいたら詳しく書かれていますので、関心のある方はぜひご自身でご一読していただきたいです。
今回初めて「ゲーム理論」に関する本を読んでみました。大変興味深い内容でしたし、使いこなせれば意思決定、特に重要な決断をしたり状況を把握する際に大きな助けになってくれそうだっていうことがわかりました。まだこれが1冊目ですので、「ゲーム理論」に関する他の書籍も読んでいくことで理解がより深まるのだと思います。先日感想文を書いた行動経済学に似て、特にマネージメントポジションの人には、非常に大切な学問分野であると思いました。今回は特に僕の意見などを交えて読書感想文を書いてみました。もし興味を持たれたらぜひ読んで、みなさまの感想を教えてください。
PS.今回の動物はパンサーカメレオンでした。ポールさんの「どうやって色を変えるの?」という質問に対して、「周りの環境に合わせて最適化する・・・つまり「ゲーム理論」だよ。という応えをしていますが、実際はどうやって色を変えるかというと、パンサーカメレオンの皮膚には虹色素胞という小さな結晶を含んだ細胞の層があり、体を大きくすることで色の変化を起こすようです。この結晶の層は、メスにアピールするためオスの方がメスに比べて発達しているとのことです。自然界の色に関して調べると面白いですね!今回の漫画、パンサーカメレオンでしたが、ここに行き着くまですごく時間がかかりました笑。どの動物がいいか全然思いつかなかったので!で、やっと決まって、描いたあと本を何度か読んでいたら本書の中に「ワキモンユタトカゲ」という動物が出ていたのに気がつき非常に惜しいことをしたなと思いました笑。まぁ、でもカメレオン好きなので良しとします!
STRATEGIC ADAPTABILITY / 戦略的適応能力:まとめ
今回も遊びに来ていただきありがとうございました。それでは、みなさん、よい週末をお過ごしくださいねー!
そして、ぜひ他の動物も見てあげてくださいね↓
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Zoo director/owner
Taka