こんにちは!ほぼ毎週土曜日に更新される動物園!動物園の飼育員のポールさんと愉快な動物の会話を聞いてみましょう。第81回目のお話”No. 81 ACT NATURALLY/ フランスのユーモア”はBabirusa、バビルサです!
和訳
Babirusa: WHAT YOU DON’T WANT TO DO ISN’T NECESSARILY WHAT YOU CANNOT DO.
(バビルサ: やりたくないことが必ずしも君のできないことじゃないんだよ。)
基本解説
では、基本解説のページです。まず、今回の動物について情報を表にしました。そして英語について解説します。英語の基礎があれば説明すれば楽しんでもらえるというコンセプトでやっていきますね!
English | 日本語 | |
---|---|---|
動物 | Babirusa | バビルサ |
Kingdom/界 | Animalia | 動物界 |
Phylum/門 | Chordata | 脊索動物門 |
Class/綱 | Mammalia | 哺乳綱 |
Order/目 | Artiodactyla | 偶蹄目(ぐうていもく)/ウシ目 |
Family/科 | Suidae | イノシシ科 |
Genus/属 | Babyrousa | バビルサ属 |
メモ: Life/生物 > Domain/ドメイン > Kingdom/界 > Phylum/門 > Class/綱(こう) > Order/目 > Family/科 > Genus/属 > Species/種
WHAT YOU DON’T WANT TO DO ISN’T NECESSARILY WHAT YOU CANNOT DO.
- 今回はすごく単純です。”WHAT”の使い方を学びましょう。
- “WHAT”は「何」だけではありません。「~こと」という使い方もあります。今回の文法は、“WHAT YOU DON’T WANT TO DO” ISN’T NECESSARILY “WHAT YOU CANNOT DO.”です。
- 前半は、「あなたがやりたくないこと」で、後半は「君のできないこと」となります。
- “NOT NECESSARILY”は「必ずしも~ない」ですね。
よって、訳は「やりたくないことが必ずしも君のできないことじゃないんだよ。」となります。
スポンサーリンク
ちょっと深く
今回読んだ本はいやいやながら医者にされ (岩波文庫 赤 512-5)です。
書評というと、かなりお堅い感じがしますし本に忠実ではなくてはいけない気がするので、いつもながら読んで考えたことや、思った事をゆるく書いていこうと思います。文学作品ってなんでこうも長く読まれてるんだろうって思いませんか?なにか今に繋がる秘訣があるんですよね、きっと。例えば今回読んだ『いやいやながら医者にされ』というフランスの喜劇に見るストーリーを紹介しながら、その辺も考えていきたいと思います。
【そもそもモリエールとは】
フランスの喜劇作家です。
『いやいやながら医者にされ』ってどんな話?Takaの超絶あらすじ解説!
主人公スガナレルとその妻のマルチーヌの夫婦喧嘩のシーンから始まります。(覚えにくいし長いので以後、スガナレル→”菅さん”、マルチーヌ→”まる子”にします。)口論し菅さんがまる子を殴ってしまいます。怒ったまる子はどうにか仕返しをしてやろうと考えます。ちょうどそこに名医を探している男二人組に会います。お仕えしている金持ちの領主の娘が口がきけない病におかされいるのです。いい仕返しの案を思いついた妻のまる子は2人に「あのくさそうな男は実は名医ですよ。もし否定したら殴ると本当のことを言うわ!」と夫を指して言いました。殴られた菅さんは連れて行かれ”医者でないのに嫌々ながら医者にされ“てしまいます。
で、どうなるかというと、ネタバレしますが、、、いいですよね?ネタバレの解禁ってどうなんでしょうね。例えば名作の映画、”君の名は”が公開されたのは2016年8月、テレビ放送が2018年の1月と言うことを考えると1年半。とすると、この話公開して352年経ってるんでよさそうですね^^
ということで言いますが、菅さんは医者ではないですが娘の病気を治してしまいます。というのも、この口がきけない病は口がきけないのではなく、実は口を意図的に聞かなかったからです。金持ち領主は娘に資産家のオラースと結婚させたかったのですが、娘は恋人のレアンドルと結ばれたかったからです。菅さんは医者の側面ではなく人間関係の部分で問題解決をしたというお話でした。おもしろいですね!
【登場人物について】
“文学作品の登場人物紹介あるある”の一つだと思うんですが、下記のように紹介されています。
-
登場人物
- スガナレル・・・マルチーヌの夫
- マルチーヌ・・・マルチーヌの妻
- ロベール氏・・・スガナレルの隣人
- ヴァレール・・・ジェロントの召使
- リュカ・・・ジャックリーヌの夫
- ジェロント・・・リュサンドの父
- ジャックリーヌ・・・ジェロント家の乳母、リュカの妻
- リュサンド・・・ジェロントの娘
- レアンドル・・・リュサンドの恋人
- チボー・・・ペランの父
- ペラン・・・チボーの息子、百姓
お分りいただけただろうか。。。もとい、「お分りいただけただろうか、さっぱり分からないことが!」無駄を一切省いた洗練された登場人物紹介。モリエールに一言言うなら、“I WILL GIVE YOU A BIG HATENA!”です。まぁ、脚本を小説化しているので一般読者を対象にしていないからっていう理由なんでしょうかね。それにしても、読む側としてはこれじゃあまりにわからないので、よく僕はこんな風に見事なイラストとともに人物相関図を書き上げます。いい機会なので今回紹介しときますね。文字だけの情報より一気に理解度が増しますよ!(ちなみに、結構重要なオラースという娘の結婚相手第一候補の紹介がされていないっていうのもツッコミどころですw)
【なんで今も残る作品なのであろうか】
僕、むかし漫画家を目指していたこともあって映画の脚本とかを読み漁っていたんですよね。それで、売れてる映画脚本の法則と比較し何が共通しているのかということを考えてみました。『SAVE THE CATの法則』と言う脚本を分析した本があります。いい脚本は10パターンに分類されるそうです。で、今回の『いやいやながら医者にされ』はどれかなーって思って考えてみたら、ズバリぴったりくるものがありました。それは、「バカの勝利」というパターンです。主人公は周りからはバカと思われているのですが、大勝利してしまうというというパターンです。個人的に逆転劇のこのパターンは大好きです。他のパターンも興味あるならぜひこの本を手に取ってくださいね!また、3Dアニメ映画で有名なピクサーの脚本では、“視聴者も共感できる主人公の悩みや葛藤を演出する。その悩みなどが原因で主人公が大きな過ちを犯してしまう。試練に立たされた自業自得の主人公が、その問題解決に奔走する。”という構成にしているそうです。これは、トイストーリー3の特典映像で紹介しているそうです。『いやいやながら医者にされ』の主人公スガナレルは夫婦間の喧嘩という読者も共感できる問題を演出し、しかし、だからといって殴ってはいけないが、その過ちを犯してしまい、妻のマルチーヌに仕返しをされる。読者は「殴ったスガナレルは、これぐらいの報いを受けてもいいだろうw。どんな展開になるのかなw」と思いながら話に引き込まれるのです。僕がそうでしたから笑。もっと、分析できますが長くなりますのでこの辺で!振り返ってみたら350年以上前の脚本にも今に通じる部分があるって、興味深いですよね。
【感想】
今回の動物はバビルサです。僕がカナダのトロントの動物園に行った時に出会った動物です。その牙を相手にむけず、自分に向けたせいで時には自分に刺さってしまい命を落とす・・・そのことから「自分の死を見つめる動物」とも言われます。。悲しくも愛おしい、また命を達観した、、いや、諦観したその様から私たちはまさに世の真を伺い知れるのではないでしょうか。もしくは、逆に文字どおり目の前に迫ってくる自分の牙に対して「成長よ止まれぇーー!」と言っているのかもしれませんがね。ただ、少なくとも、武器があれば相手へ向けてしまう人類は少し見習わなければならないのではないでしょうか。私たちは決してバビルサの精神を見過ごしてはならないと思います。友達との会話で、物憂げで優しいニッチな動物を紹介しないといけなくなったら、バビルサを挙げましょう。バビルサ、覚えておいて損はないです。合言葉は、ビバ・バビルサで決まりですね。
簡単に今日の漫画の説明をしますと、バビルサもそりゃ牙が刺さって死にたくはないですよね。けど、したくないってことは、できないってことじゃなく、そうなってしまうことってありますよね。可能なんですよね。良くも悪くも。菅さんは、医者になりたくなかったけど、医者としての役割はできちゃったわけですよね。なんか人生いろいろあるなーって思ったんですよね。したくなくても、できちゃったり、起こっちゃったりするんですよね。そんな感じでしみじみ思ったので今回描いてみました。そんなに深い意味は多分ないですよ!
[columns] [span4]
[/span4][span4]
[/span4][span4]
[/span4][/columns]
まとめ
今回も遊びに来ていただきありがとうございました。それでは、みなさん、よい週末をお過ごしくださいねー!そして、ぜひ他の動物も見てあげてくださいね↓
[btn text=”Go to Zoo” tcolor=#FFF thovercolor=#FFF link=”https://zootoeigo.com/zoo%E3%81%A8%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%B6%E3%81%A4%E3%81%88%E3%82%93/” target=”_blank”]
Take care,
Zoo director/owner
Taka