No. 86 PLANNING FALLACY/遅れの原因
こんにちは!最近は不定期更新になっている英語の動物園です!動物園の飼育員のポールさんと愉快な動物の会話を聞いてみましょう。第86回目のお話”No. 86 PLANNING FALLACY/遅れの原因”はSloth、ナマケモノです!
和訳
Sloth: YOU ARE VERY SLOWER THAN USUAL, AREN’T YOU?
(ナマケモノ: 今日はいつもより動きが遅くないかい?)
Mr. Paul: YEHA. BECAUSE I’M WEARING MY SLOTH HAT. BUT I FEEL STRONGLY THAT I WILL BE ON TIME.
(ポールさん: うん、ナマケモノの帽子をかぶっているからさ。でも、絶対に間に合うって思うよ。)
基本解説
では、基本解説のページです。まず、今回の動物について情報を表にしました。そして英語について解説します。英語の基礎があれば説明すれば楽しんでもらえるというコンセプトでやっていきますね!
English | 日本語 | |
---|---|---|
動物 | Sloth | ナマケモノ |
Kingdom/界 | Animalia | 動物界 |
Phylum/門 | Chordata | 脊索動物門 |
Class/綱 | Mammalia | 哺乳綱 |
Order/目 | Pilosa | 有毛目 |
Family/科 | Bradypodidae | ミユビナマケモノ科 |
Genus/属 | Bradypus | ミユビナマケモノ属 |
メモ: Life/生物 > Domain/ドメイン > Kingdom/界 > Phylum/門 > Class/綱(こう) > Order/目 > Family/科 > Genus/属 > Species/種
YOU ARE VERY SLOWER THAN USUAL, AREN’T YOU?
- 「いつもより~だ」というときに、”Than usual”を覚えておくと非常に便利ですよ。
- “AREN’T YOU?”は「~だよね?」という意味で、確認ですね。
よって、訳は「今日はいつもより動きが遅くないかい?」となります。
YEHA. BECAUSE I’M WEARING MY SLOTH HAT. BUT I FEEL STRONGLY THAT I WILL BE ON TIME.
- “WEAR … HAT”は英語の表現です。帽子は能力の比喩です。特定のシチュエーションでの能力になります。During a test, I will wear my focusing hatとか、Today I’ll give a presentation so I’ll wear my presentation hatとかいった具合です。
- “I WILL BE ON TIME”は、「間に合う」ですがこれは覚えておきましょう。遅れる場合にnotをつけて言わなくてはいけないので笑。
よって、訳は「うん、ナマケモノの帽子をかぶっているからさ。でも、絶対に間に合うって思うよ。」となります。
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ちょっと深く
今日は本を読んだのではなく、インターネットラジオ番組を聞いた感想を話したいと思います。『ヤバい経済学』や『0ベース思考』の共同著者でおなじみStephen Dubner氏のラジオ番組Freakonomics Radionです。最近日課で毎日聞いています笑。すべて英語なので、ぼくが少し要約をしますね。みなさんがもし英語を勉強しているならぜひ聞いてみてください。今回紹介したいのは“Here’s Why All Your Projects Are Always Late — and What to Do About It”というエピソードです。これで、あなたが抱えているプロジェクトの進捗がなぜ遅れるのか原因がわかるはずです笑!
今回はこのようにまとめてみました。
- 【planning fallacyとは】
- 【optimism biasをもつこと】
- 【planning fallacyの構成要因】
- 【reference-class forecastingとstrategic misrepresentation】
- 【mandatory method】
- 【まとめ】
【planning fallacyとは】
planning fallacyを直訳すると、プランニングの誤り。似たようなプロジェクト経験があったとしても、事前の見積もりが実際はそれ以上にかかってしまう傾向のことです。論文を書いている学生で調査したところ、論文の制作時間を33.9日かかると見積もったのですが、実際には55.5日もかかたのです。なぜ、このようなPlanning Fallacyが起こるかというと、見積もりをしてる時点で、プロセスをかなり簡略化してしまったり、理想的に考えたりしてしまい、また、その考えたシナリオが思い通りに問題なく運ぶと考えるからです。これをoptimism biasと呼びます。
【optimism biasをもつこと】
この一見、だめな性質のoptimism biasですが、実際は人間のメンタル面にはポジティブに働いています。optimism biasを訳すと、楽観的偏向、つまり物事を楽観的に捉える性質ですね。これがあれば物事をポジティブに捉えることができるので、よりチャレンジしたり、物事を前に進めたりできます。幸せに生きるのに必要です。まぁ、前述したようにプランニングを狂わせる原因ではありますが笑。ラジオの中でOptimism biasに関して説明していたのはTali Sharot教授ですが、TED TALKSでより詳しく学べますので、リンク貼っておきますね。
cf. The optimism bias, Tali Sharot at TED2012
【planning fallacyの構成要因】
Planning fallacyを研究する専門家としてラジオに出ていたKatherine Milkmanさんは、ラジオのパーソナリティーと話す準備に10分かかると思っていたところ、実際には1時間かかってしまったという、非常に説得力のある方です笑。planning fallacyの専門家ですよね!たくさんの要素が集まって、Planning fallacyにつながると説明しています。たとえば下記のような要素です。
- Overconfidence/自信過剰…実際よりもできると思うこと。
- Coordination neglect・・・チームなど、一つにまとまって働くことの難しさ。数が増えると良いことだけに目が行きがち。
- procrastination/怠慢・・・やるべきことより、その時にやりたいことを先にやってしまう衝動による怠慢。
デジタル社会で情報過多になり、その損失額はアメリカで毎年1トリリオンドルと言われています。しかし、同時にテクノロジーを駆使して問題を解決するツールを開発している企業がAsanaです。チームの進捗を把握しマネジメントしていくための管理システムです。まさにCoordination neglectを克服するソリューションですよね。
【reference-class forecastingとstrategic misrepresentation】
reference-class forecastingとは、見積もりと結果を比較し検証すること。 オックスフォード大学のBent Flyvbjerg教授が数百のデータを検証した結果、80~90%の割合で予想よりも予算的、時間的コストが多くかかってるのがわかりました。100年間のデータを分析してもこの結果は変わらなかったそうです。なぜこれが起こるか、それはstrategic misrepresentationが原因です。strategic misrepresentationとは”欲しいものを得るために嘘をつく”ことです。ラジオではノーベル経済学賞のダニエル・カーネマン教授も登場し、“現実的なことを話しても人は興味を持ってくれない”と語り、strategic misrepresentationをサポートしています。
【mandatory method】
さて、ではどうすれば良いのでしょうか。mandatory methodに従うことです。これはUKで用いられている方法で、大きなプロジェクトの際に適応されます。
- 1.まずいつも通り計画する。
- 2.以前のこのようなプロジェクトはどれぐらい余計にコストがかかっているか調べ、適応する。
つまり、データを調べて以前40%のバジェットが余計にかかっていたら、現在のバジェットに40%足せばより正確な見積もりが得られるということです。
すごく良い考えですが、同時にインセンティブの問題も発生しますよね。40%余計にかかるならまぁサボろうかなとか。それをなくすために、従事者には良いパフォーマンスを出したら余計に報酬が与えられ、逆であると罰が発生してしまうというルールも加わります。
【まとめ】
今日はかなり有益なことが学べたのではないでしょうか。僕個人的にはめちゃくちゃ面白かったです。自分だけが遅れているのではなく、遅れるのが普通でON TIMEのほうがずっと少ないのです。ポジティブに生きれそうじゃないですか笑。
そしてmandatory method、、、考えられたすごいメソッドですね!・・・でも、個人レベルでやっていくとなるとなかなかつらそうですね笑。そんなにデータもないし個人レベルでは人間はそれほど管理できないですよね。ですが、たまにこんな方法を知っていて試してみても面白いかもしれませんよね。いま、友人と進めているプロジェクトなんかもきちんと進捗が遅れているので、記録していけば良いデータが取れそうです^^!みなさんはどうですか?今回の学びをざっくりまとめると、、、
- 見積もりを間違えることplanning fallacyは一般的である。
- その原因は、optimism bias、Overconfidence、Coordination neglect、procrastination、strategic misrepresentationです。
- 解決策はmandatory method
という感じだと思います。
プロジェクトを遅らせないベストな方法は”締め切りを決めない”ことですが、まぁ決めなきゃいけない時もありますよね。当たり前ですが笑。そんな時、なぜプロジェクトが遅れるのかを知っていることで、マジで遅れちゃいけない時に効果を発揮できるのではないでしょうか。そしてそれってかなり役に立つ知識ですよね。今回の漫画のポールさん、どこに向かっているかわかりませんが、きっと遅れます笑。それはOverconfidenceが原因です。ですが、遅れて良いことは遅れましょうw9割はナマケモノっぽく生きて良いと思います。そんなに追い詰められていきたいくないですからね〜。で、頑張る時は一瞬だけで緩急つけて楽しくやっていきましょう!僕はoptism biasをどんどん発揮して生きて行きたいと思いました笑。
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最後に、ラジオを聞いて覚えておきたい英語を勉強のためにメモしておきます。
Vocabulary | Memo |
---|---|
But not long afterward, the project was shelved | decide not to proceed with |
the budget would not allow — and back it went on the shelf. | プランが進まない時に棚に戻すって英語の表現があるんですね。 |
dorm | dormitory |
Or did you recognize it as a generalizable phenomenon? | generalizableは読んだら意味が分かりますが、こんな単語は知りませんでした。 |
courtesy of the psychologists | the showing of politeness in one’s attitude and behaviour towards others |
honor students | Someone who gets good grades all the time-excellent grades. |
design flaw | 構造上の欠陥 |
we might not take precautionary action. | precautionary:carried out as a precaution; preventive. 予防の |
wild guess | a guess based on no knowledge or information. |
undergrad | 大学生 |
a number of factors collude | collude:come to a secret understanding; conspire.共謀する,談合する |
a blatantly obvious one | blatantly:in an open and unashamed manner. |
procrastination | the action of delaying or postponing something. |
gratify | give (someone) pleasure or satisfaction. |
exemplify | be a typical example of.illustrate or clarify by giving an example. |
empirical evidence | Empirical evidence, also known as sensory experience, is the information received by means of the senses, particularly by observation and documentation of patterns and behavior through experimentation. |
what about perverse incentives? | A perverse incentive is an incentive that has an unintended and undesirable result which is contrary to the interests of the incentive makers. Perverse incentives are a type of negative unintended consequence or cobra effect. |
rack up | achieve |
まとめ
今回も遊びに来ていただきありがとうございました。不定期になるといったものの今回はアップできました。まぁ、土曜日じゃないですがね。読んでくれて本当にありがとうございました。それでは、みなさん、よい週末をお過ごしくださいねー!そして、ぜひ他の動物も見てあげてくださいね↓
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Take care,
Zoo director/owner
Taka