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No. 87 The Art of Art/ エリートの美意識

No. 87 The Art of Art/ エリートの美意識

こんにちは!最近は不定期更新になっている英語の動物園です!動物園の飼育員のポールさんと愉快な動物の会話を聞いてみましょう。第87回目のお話”No. 87 The Art of Art/ エリートの美意識”はChimpanzee、チンパンジーです!





和訳

Paul: THAT’S A GREAT JOB. ARE YOU INTERESTED IN ART?
(ポールさん: すごく上手な絵だね。アートに興味があるの?)


Chimpanzee: THE TIME HAS COME FOR ME TO BRUSH UP ON MY SENSE OF ART IN ORDER TO LEAD MY GROUP.
(チンパンジー: 群れをまとめ上げるのにも美意識が必要な時代になったんだよ。)





基本解説

では、基本解説のページです。まず、今回の動物について情報を表にしました。そして英語について解説します。英語の基礎があれば説明すれば楽しんでもらえるというコンセプトでやっていきますね!


English 日本語
動物 Chimpanzee チンパンジー
Kingdom/界 Animalia 動物界
Phylum/門 Chordata 脊索動物門
Class/綱 Mammalia 哺乳綱
Order/目 Primates 霊長目
Family/科 Hominidae ヒト科
Genus/属 Pan チンパンジー属

メモ: Life/生物 > Domain/ドメイン > Kingdom/界 > Phylum/門 > Class/綱(こう) > Order/目 > Family/科 > Genus/属 > Species/種



THAT’S A GREAT JOB. ARE YOU INTERESTED IN ART?

  • “BE INTERESTED IN…”は「〜に興味がある」です。

よって、訳は「すごく上手な絵だね。アートに興味があるの?」となります。


THE TIME HAS COME FOR ME TO BRUSH UP ON MY SENSE OF ART IN ORDER TO LEAD MY GROUP.

  • “THE TIME HAS COME”は「時が来た」って意味です。
  • “BRUSH UP ON”とは、「〜を磨く」です。
  • “IN ORDER TO”は「〜のために」ですね。

よって、訳は「群れをまとめ上げるのにも美意識が必要な時代になったんだよ。」となります。


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ちょっと深く

今回読んだのは『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 』山口周 著(光文社新書)です。


効率性だけに目がいく現代社会でアートをどう捉えるか、今回考えてみましょう。

今回下記の3点でまとめてみようと思います。

  • 世の中が「ロジックの限界」に直面している
  • 世の中が「自己実現的消費」に向かっている
  • 世の中が「システムの変化」に対応できていない

です。もちろん、個人的なまとめですのでざっくりしています。本当にいい本ですのでご自身で手に取ることをお勧めします。内容も正確に把握できますしね!読書は自分でして初めて内容が理解でき、実践して初めて身になると思いますので。みなさんがいい本に出会うきっかけになればと思い、始めていきます。


【世の中が「ロジックの限界」に直面している】

これまでは物事を理論や論理で理解することに努め、1つの正しい答えを求めてきました。今まではそれでよかったのです。しかし、最近ではVUCAというキーワードで、現在のビジネスの難しさを表現しています。VUCAとは、Volatility(不安定さ)、Uncertainty(不確かさ)、Complexity(複雑さ)、Ambiguity(曖昧さ)です。そのような状況下では、かつてのように一つの答えを求めることは難しく、誤った判断につながります。経営学者のIgor Ansoffは、過度な分析が企業の判断を遅らせることを「分析麻痺」といい指摘しています。では、何がポイントになってくるかというと本書の内容を引用させてもらうと、

全体を直感的に捉える感性と、「真・善・美」が感じられる打ち手を内省的に創出する構想力が、求められることになります(P17)

イマヌエル・カントが名著を残しましたが、『純粋理性批判』=真、『実践理性批判』=善、『判断力批判』=美と考えて良いです。認識する際には理性だけを判断基準にするのではなく、美も考えることの必要性を説いています。

ソマティック・マーカー仮説という、「適時・適正な意思決定には理性と情動の両方が必要であるという、脳神経学者のアントニオ・ダマシオ氏が提唱した説」があり、そこでは、理性的な正しい判断をするには情動が必要と主張しています。真・善・美を今の時代にアップデートして考えたら以下の図のようになります。



また、今までの概念とこれからの概念を図示すると、以下のようになります。

対立項として「論理と直感」、「理性と感性」が挙げられます。これからの時代、直感的であることや感性が重要になってきます。一つの合理的な答えを見つけ出そうとする論理や理性だけで考えると行き着く先は皆同じところになり、すぐにその市場はレッドオーシャンになってしまいます。企業としてアートの感覚を持った天才肌の人材をもつことの重要性が注目されます。ただ、あくまでも、論理や理性で問題解決が難しい時の手段としてです。そうでないと直感的であることが単に非論理的になってしまい間違ってしまいますね。




【世の中が「自己実現的消費」に向かっている】

マズローの5段階の欲求は有名ですね。「1:生存欲求」、「2:安全欲求」、「3:帰属欲求」、「4:承認欲求」、「5:自己実現欲求」ですね。その中で現在世界的に特に最終段階の「5:自己実現欲求」に向かって行っている状況があります。このような承認欲求自己実現欲求の市場で戦うためには新たな価値観を学ばなければなりません。それがそれらの欲求に刺さる感性や美意識です。グローバル社会はまさに、「自己実現欲求消費社会」のレッドオーシャンです。そんな中、マッキンゼーはデザイン会社を買収しました。これまで、ファクトやサイエンスベースでコンサルティングをリードしてきましたが、新たなアプローチが必要になったことを示唆しています。デザイン思考です。デザイン思考とは、抽象的ですが「最初から答えを直感で掴みに行き、試行錯誤の中で最善策を見つけようとする動的アプローチ」です。このアートの問題解決の視点が今後重要。アートの視点をもっと具体的に考えると、「ストーリー」をもつことです。人は商品を単に機能として見るのではなく、その商品のブランドのストーリーを選択(購入)している。国として見た時に日本は文化、歴史というストーリーを天然資源のように持っている有利な国です。





【世の中が「システムの変化」に対応できていない】

新たなテクノロジーの発達は衝撃的であまりにも早いスピードで進化を遂げており倫理的な問題を法ではなく、企業自身で行っていかなければなりません。その観念は美意識に通じるものがあるのです。ある日本のITゲーム会社がコンプガチャ問題で社会的に批判されました。もともと法的にグレーゾーンなビジネスモデルだったようで、批判を浴びて企業が中止しました。あまりにもテクノロジーの発達が早すぎて法整備が追いつかないのです。テクノロジーの最先端であるグーグルは”DON’T BE EVIL”という、スローガンを掲げてその倫理観とともにビジネスを展開しています。グレーゾーンを狙って儲けようとする会社と違い、自分自身の影響力を理解している美意識をもった企業ですね。そして美意識を持った企業こそ多くの人に受け入れられるのでしょう。




【Takaの感想】

恥ずかしながら、ぼくは論理的思考に努めることが妥当な答えを見つける唯一の方法と思っていました。そして、極端に言ってしまえば、そこに人間的な感情は二の次で、論理的な選択こそすべてだと・・・そんな感じで思っていました。極端な言い方をすればですが。でも、実はものすごく危険な事だったんですね。正確に言えば、知らない間に時代が動いていたって事ですね。

本が意味するところの美意識とは、実際にアートを学んで美的感覚や情動を鍛えつつ、選択の際に倫理観や感性、直感を用いる重要さ、時代の尺度の変化、など抽象度の高いことを総じて美意識と呼んでいると思いました。

大切なのはわかりますが、しかし、難しい。かなり抽象度の高い話だと思いました。論理や倫理から離れてアートで考えた場合、それが単に非論理的になったり、本書でも出てきたのですが、山本七平さんが『空気の研究』で指摘しているように、その場の雰囲気で判断を下されてしまったりしないかすごく難しいと思います。アートが非論理を肯定するものにならないようにしないといけないのです。

真剣に考えれば考えるほど難しいのですよね。これもまた本書でも取り上げられていたことなのですが、ハンナ・アーレントというものすごくIQの高い学者が見た、ナチスドイツでユダヤ人の虐殺に関わったアイヒマンの裁判です。裁判にかけられたアイヒマンは「自分は指示に従って仕事をしていただけ」との主張をして無実を訴えました。ハンナ・アーレントはその裁判を見て「悪とはシステムを無批判に受け入れる事だ」として悪を定義しました。アートの感覚を持ち、自分の倫理観で考えることができたらもしかしたら、違った行動を取れていたかもしれません。

アイヒマンほどの例だったら、選択する際に自分の倫理観で考えることの必要性を問われたら、納得できますよね。問題は自分自身の日常に置き換えた時です。難しい理由はたくさんあります。例えば、裁判の判決で見られるように「社会は前例主義」ですし、人間には「恒常性」があり、コンフォートゾーンから抜け出すことは難しいし、「反体制派やマイノリティーになる」ことは大きなリスクを抱えます。

これは僕の解釈ですが、できない理由を考えることは本当に楽ですが、難しいと分かった上で、自分の範囲でできるところから少しずつ実践していくことが大事なんじゃないかって思いました。この倫理観「悪とはシステムを無批判に受け入れる事だ」というのを聞いて、ドキッとする人は多いのではないでしょうか。ぼくはそうでした笑。前任者がこうだったから、みんなこうしてるから、こういうルールだから、というのは理由にならない、アイヒマンも同じことを言ってたって知るだけでも大きな成長だと思います。(ていうか、アイヒマンの裁判を見て、「悪とはシステムを無批判に受け入れる事だ」と一般化したハンナ・アーレントさんの知性が凄すぎだと思います。。。)これからの時代を生きる上で自己にアートの感覚を取り入れていくように変えていかないといけません。

また、「倫理的におかしな行動をしていても、法がないならやってもいいではないか」、という意見をよく聞きます。「その人を攻撃するのではなく、法ができていないことを批判せよ」、と。もっともな意見だと思っていましたが、個人レベルならまだしも、企業や、もっと成長していきたいと思う組織なら美意識が必要であり、妥当ではないなと考えを改めました。

今回の読書ですが、読みながら出てきた考察してほしい点が次々に書かれており、ものすごく自分の視点や思考と合致しました。「では、著者は山本七平さんの『空気の研究』に対してはどう考えるのだろう」、「アイヒマンの裁判は?」とか考えていたらまさにそのことが書かれてあって、感動しました!こんなに自分と合う本は久しぶりで一気に楽しく読ませていただきました。

最後に、今回の漫画ですが、ぼく数年前に大分県の高崎山に行ったんですね。県が猿を管理していて、普通は人間に危害を加えますが、ここの猿は違って、身近におさるさんを見ることができます。印象的だった猿が一匹いました。地べたにうつ伏せに寝そべっていた猿です。何をしているか職員さんに聞いたら、「彼はボスで、毛づくろいをまってるんだけど誰もしてくれないんだよね笑」と教えてくれました。そんなわけで、きっと猿の世界も倫理観や人徳?がないと誰もついてこないんだな〜と想像し今回の漫画にしました。その時の写真も貼っておきますね。

monkey










最後に、本を読んで学んで用語などをメモしておきます。


Vocabulary Memo
グレイヘアコンサルティングアプローチ 経験豊富な知識に基づいて行われるアプローチ
VUCA Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity
ソマティック・マーカー仮説 適時・適正な意思決定には理性と情動の両方が必要であるという、脳神経学者のアントニオ・ダマシオ氏が提唱した説。



まとめ

今回も遊びに来ていただきありがとうございました。最近は不定期更新です。英語レシピという新たなブログを立ち上げたり、アメリカ旅行してたりするんで定期的な更新はできません泣!本は読んでますけどね。ですが、また遊びに来てくれてありがとうございました。お時間があれば、ぜひ他の動物も見てあげてくださいね↓


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Take care,

Zoo director/owner
Taka

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Zooと英語.comを運営、管理してるTakaです。毎日英語を楽しんでます。英語とフロリダが好きです。普段はグローバル企業のデザイン職で働いています。最近はAIを勉強しています。僕も成長したいし、みんなと成長したくてブログを運営しています。Twitterフォローしてください (*´∀`*) 人生は動物園みたいなもの!
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